
中国で新しいPCを購入する際、多くのユーザーは電源ボタンを押し、画面の指示に従ってOSをライセンス認証するだけで、すぐに使用できます。
しかし、多言語対応を希望するユーザーにとっては、「なぜ設定で言語を切り替えられないのか?」「なぜ言語パックをダウンロードできないのか?」という問題に直面しますが、それは中国市場特有の Windows ライセンスであることが原因です。
本記事では、中国版における「Windows OS ライセンスの違い」について、ご紹介いたします。
※ 2026年5月時点の情報です
目次

まず Windows OS には、Windows Home、Windows Pro、Windows Enterprise、Windows Education など、様々なエディションがあります。
その中でも、日常生活や仕事でよく使用されているのは、「Windows Home」や「Windows Pro」のケースが多く、日本や欧米の市場でも、広く普及しているエディションです。
しかし、中国国内においては、中国市場に特化した「Windows Home China(家庭中文版)」というエディションが普及しています。
このエディションは、機能面では通常の Windows Home と同じですが、唯一の違いは「言語変換が制限」されているという点です。
| 項目 | Windows Home China | Windows Home | Windows Pro |
| 中国国内での入手性 | 〇 (中国国内で標準流通) |
〇 (プロダクトキーのみ購入可) |
〇 (プロダクトキーを購入、 またはPCメーカーへ特注) |
| OSレベルでの表示言語の切替 | ✕ | 〇 | 〇 |
| 言語パックの追加 | ✕ | 〇 | 〇 |
| 多言語 IME の切替 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 国/地域設定の変更 | 〇 | 〇 | 〇 |
| BitLocker 暗号化 | ✕ | ✕ | 〇 |
| リモートデスクトップ | ✕ | ✕ | 〇 |
| ライセンス的なリスク | なし | なし | なし |
| 主な対象ユーザー | 中国語環境の個人ユーザー | グローバル環境の個人ユーザー | 中小企業の社員など |
Windows Home China、Windows Home、Windows Pro、それぞれのエディションでは、言語のサポート範囲や表示レベルが異なります。例えば、日本語の場合は、以下のような違いがあります。
| 項目/機能 | Windows Home China | Windows Home | Windows Pro |
| システムUIの日本語表示 (メニュー・設定・エクスプローラー) |
✕ | 〇 | 〇 |
| コンテンツの日本語表示 (Webサイト・ドキュメント・メールなど) |
〇 | 〇 | 〇 |
| 日本語入力 (IME) |
〇 | 〇 | 〇 |
| 地域の形式 (日付・時刻・通貨の形式) |
〇 | 〇 | 〇 |
※ 中国市場のPCキーボードでは、一般的に「US配列」が採用されており、これは日本での「JIS配列」とは顕著な違いがあります。
JIS配列では、「変換」「無変換」「半角/全角」といった、日本語入力専用のキーが複数配置されている点、キートップに平仮名が印字されている点などが挙げられます。
そのため、普段JIS配列での操作に慣れている日本ユーザーにとって、中国のUS配列キーボードを使用する際は、少し戸惑いを感じる場合があります。
Microsoft は、世界中で Windows OS の複数のエディションを提供していますが、中国市場では中国ユーザー向けに最適化された、特別なエディション「Windows Home China」を提供しています。
中国国内で流通している大半のPCに「Windows Home China」がプリインストールされている背景には、主に以下の2つの理由があります。
| 項目 | 概要 |
| コストの最適化 | PCメーカーにとって、Windows Home China のライセンス料は、相対的に低く抑えられています。
これにより、PCメーカーは、PCの最終価格を適正に設定し、中国市場での競争力を高めることができます。 |
| ニーズへの適合 | 機能は Windows Home と同じですが、OSレベルで中国語以外の言語切替はできません。
しかし、中国ユーザーにとっては、中国語のみでも日常業務や作業のニーズを満たせるため、多言語対応は必須でありません。 |

例えば、Windows OS の表示言語を切り替える必要がある場合(例:企業での勤務や海外留学など)、以下の3つの方法でエディションを変更することにより、多言語での利用が可能になります。
〇 公式チャネル:
Microsoft 公式サイトや天猫(Tmall)公式フラッグシップショップで、Windows Home のプロダクトキーを購入することができます。
※ 公式価格は1088元です。
〇 他のチャネル:
正規販売店(認定リセラー)で、Windows Home のプロダクトキーを購入することも可能です。
プロダクトキーの価格は代理店によって異なり、Microsoft の公式ストアの価格より安い場合もあります。ただし、正規品かどうかは自身で見極める必要があり、非正規のプロダクトキーを購入した場合、正常にライセンス認証ができなくなるリスクがあります。
〇 操作手順:
スタートメニューから[設定]→[システム]→[システム情報]→[プロダクトキーとライセンス認証]を開き、購入した25桁のプロダクトキーを入力し、画面の指示に従って操作してください。
〇 注意事項:
プロダクトキーを入力する際は、必ずライセンスが認証されていることを確認してください。また、中国国内の店頭でPCを購入する場合は、その店舗スタッフに操作サポートを依頼することも可能です。
〇 公式チャネル:
Windows PC に標準搭載されているアプリ「Microsoft Store」から、Windows Pro にアップグレードすることができます。
※ 公式価格は808元です。
〇 他のチャネル:
正規販売店(認定リセラー)で、Windows Pro プロダクトキーを購入することも可能です。その際も同様に、チャネルの正当性に注意し、正規品かどうかを見極める必要があります。
〇 操作手順:
① Microsoft Storeで購入した場合、購入後はシステムによって、自動的にライセンス認証とアップグレードが実行されるので、画面の指示に従って操作してください。
② 正規代理店(認定リセラー)で購入した場合、操作手順は Windows Home への変更方法と同じです。
〇 注意事項:
プロダクトキーを入力する際は、必ずライセンスが認証されていることを確認してください。また、中国国内の店頭でPCを購入する場合は、その店舗スタッフに操作サポートを依頼することも可能です。
中国国内で、出荷段階から Windows Pro がプリインストールされたPCを購入したい場合は、該当するPCメーカーの法人営業担当を通じて、カスタマイズ注文をおこなうことが可能です。
ただし、カスタマイズ注文の場合には、PCメーカー側のサプライチェーンの調整、高いライセンス料が伴うため、PCの購入価格が大幅に上昇します。
なお、同じPCスペックであっても、Windows Pro がプリインストールされたPCは、Windows Home China がプリインストールされたPCよりも、価格が1000元以上高くなります。
Microsoft 公式チャネルや正規販売店(認定リセラー)で購入する方法のみが、完全に合法かつコンプライアンスに則った方法です。
不明なチャネルで入手したプロダクトキー、非正規版の Windows OS、第三者のアクティベーションツールなどは、ライセンス違反になるので使用しないでください。
Windows Home China は、Microsoft が中国市場向けに提供している「コストパフォーマンスに優れたPCソリューション」です。
本記事が、中国市場における Windows OS ライセンスの違いを理解し、中国国内でのPC選定や言語対応の参考になれば幸いです。
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