中日交流会の運営を務める「okaさん」にお話をお伺いしました。
「中日交流会」とは、主に深圳で定期的に開催されている、中国企業や日系企業同士の垣根を超えた、中国人と日本人の参加者を中心とする、交流促進を目的としたコミュニティです。
また今回は、なんと記念すべき「50回目(2025.7.19 開催分)」のイベント開催にあたり、弊社 必友得科技でインタビュー取材をおこないました。(以下、敬称略)
● oka:
普段は中国の日系製造業で、時計などに使用されている機械部品の品質管理の仕事をしています。
元々は日本で大学を卒業したあと、病院の臨床検査技師という仕事をしていました。そのような日常を過ごしてる中、自分自身が海外に興味を持ちまして、日本に居ながら英語を勉強し始めました。また英語の勉強を兼ねて、日本に居ながら世界中にEメールの友達を作ってですね。
それだけではなく、今度は 「Eメールで友達になった人に会いに行く」ということをやったりしてました。それからは海外への興味がどんどん膨らんで「もう日本を飛び出して世界一周するぞ!」という風に思いまして。それから世界一周するのに、英語以外にも勉強した方がいいかなというので、選んだのが中国語だったんですね。
そして世界一周旅行の第1ヶ国目に中国へ行くということで、1999年に中国へ来ました。しかし日本から持ってきた世界一周するためのお金を、中国で全部使い果たしてしまいまして・・・。それで「そのまま中国で就職するか」「それとも日本に帰る」かの二択になったんですね。でも元々は世界一周するぞって言ってきたぐらいですから。
そのように考えてるうちに、中国のとある製造業の会社と縁があり「日本人が居るなんて珍しい。製造業の仕事経験が全然なくても、中国語が喋れるなら採用!」という感じで採用になって(笑)そこから中国に住み始めて、そして中国で結婚して、子供に恵まれて、また転職もあって今に至るという感じです。
● oka:
ディープな感じで面白かったですよ。今とは全然雰囲気も違いますね。今はちょっと上品になりすぎて、面白みが少なくなったかもしれないですね。あと当時の中国へ来て感じたことですが、英語が通じないのが1番大きかったですね。昔日本に居たときは「海外 =英語」の印象だったので、英語が話せればどうにかなるぐらいに思ってたんですけど、これが全然通じない(笑)
それから私自身も中国語を学習しないといけないので、広州のとある学校へ留学することにしました。広州を選んだ理由は単純に、「学費と寮の費用、その両方を足して1番安い場所はどこだ」ということで、日本に居るときに私が色々な資料を集めた中で、 1番費用が安かったのがその広州の学校だったんです。そしてその広州の学校では、広東語が入り混じる中、普通語を学ぶという(笑)
● oka:
これは昔の話ですが、私のちょっとした知り合いで、中国でタオルを製造し、それを日本で販売するという事業をしている、とある日本メーカーの社長の方がいました。
ある日、その日本メーカーの社長は「広州交易会に行きたいんだけど、中国語が出来ないので、当日は現地で通訳やってくれない?」というので一緒に行きました。当日に日本人の私たちが、交易会の色んなブースを見て回るんですけど、とある中国メーカーのブースに立ち寄ったとき、こっちが日本企業だと分かったら「もう来ないでください」と言われたことがありました。
私が一緒に同行してた日本メーカーの社長と「え、何これ?」とか話してると、「いやいや、こんなのはいつものこと」と言うんですね。日本メーカーの社長曰く「あのブースに出展してた中国メーカーは、日本と以前に商売をやってた会社と思う」と言ってました。
この出来事の背景や意味するところは、例えば、発注元が欧米メーカーの場合「品質要求は細かく言わないし、しかも大量発注」みたいな欧米スタイルは喜ばれるんですけど、発注元が日本メーカーだと「品質要求はものすごく高いが、発注のロット数は小さい」ことがあったりするので、そういうのは中国企業からすると敬遠されちゃう。これは日本メーカーの実例なんですけど、タオルで例えると「タオル生地を折り曲げたときに、外側の淵から少しでも ” ホツレの糸 ” が飛び出てはいけない」などの細かい要求ですね。
このような日本メーカーからの高い品質要求はありますが、だけどそれは逆の見方をすると、日本とビジネスをやったことがある中国メーカーというのは、「品質要求が厳しい日本企業とも、取引できる実力があります」というアピール材料になるので、これは中国メーカーにとっても逆に強みになると思ってます。
< 過去に開催された中日交流会 >
● oka:
この中日交流会というコミュニティ自体は、元々は前任者の方が長らく運営してたもので、私は最初、普通の一般参加者だったんですよ。しかしその前任者の方が、日本に帰らなければいけなくなったので、それで「誰か2代目の主催者を出来ないかな?」という感じで、それで探し出されたのが私だったという。それが理由で2025年1月位から、現在の中日交流会の運営を引き継ぐようになりました。
私は日本で昔、何で英語に興味を持ったかというと、英語自体というよりは、その異文化の中で育った人との触れ合いがすごく楽しかったからなんですね。もしずっと日本で過ごしてたら「これに関しては、こう考えるのが当たり前」みたいな風潮がありますよね。だけど、異文化で育っている別の国々人だと、全然違う発想が出てきたりと、それが逆に面白い。
私自身もこういうタイプの性格で、もう本当に全く知らない人に平気で話しかけてすぐ友達になっちゃう(笑)この面白い感じのコミュニティを引き継いだというのは、とても自分の性格に合ってると思ってますね。
● oka:
やっぱり色んな方からの『「ありがとう」というメッセージ』をいただくのが、一番嬉しいですかね。
参加者さんの中には「初参加なんで・・・」みたいな感じで、すごく緊張してるところを、私が「大丈夫、大丈夫」「初めて参加する人もいっぱいいるし」「いい人いっぱいだし、お友達をどんどん作ってね」のような感じで、交流会の前には、特にそういうことを言うんですけど、そして交流会が終わった後に「お友達ができました、ありがとうございます!」みたいなメッセージがあったりとか、そういうのがすごく嬉しいですね。
特に、海外赴任が初めての日本駐在員の方とかは、最初は右も左も多分分からないと思いますし。あと、駐在員の主婦の方とかが、勇気を振り絞ってここに来てみたところ「交流会のおかげで、中国で友達ができた、楽しかった」なんて言ってくれると、私自身「もうすごい、やってて良かった」と思いますね。
参加者さんも、交流会にちょっと勇気を振り絞って顔出してくれれば、お友達作ったりするのはお手伝いできるんで、そういう感じで、中国人と日本人の両方にメリットが生み出せるようなコミュニティを心掛けてますね。
あとは、このコミュニティが出来上がったときからのルールというか、気を配ってることですが、他人への悪口や批判・不快な言動など、そういう部分に関しては注意や管理してたりしてますね。もしそのようなことがあれば、本人達にとっても、コミュニティとしても気持ちのよいものでは無いので。
● oka:
中日交流会は、1回あたりの開催毎に、30~50名位の参加者さんが来ますが、私の感覚ですが、中国人の方が多く、日本語を話せる中国人の方が多いですね。参加者の中には、日本語を全く話せない方だったり、日本語を習い始めた方など様々ですが、やっぱり大半が日本語を結構話せる中国人の方が多いですね。以前に日本に留学・仕事してたのでN1レベルで話せたりなど、そういう背景もあるかもしれません。
「日本のアニメは面白いよね」「ゲームが凄いよね」のような日本文化に惹かれたり、なんかのチャンスがあれば日本企業に就職したいみたいな方もゴロゴロいますが、参加者の方に共通して言えるのが、きっと日本に多少なりとも興味があるわけですよね。やっぱり交流会に参加したいという属性ですから。そして基本的には、日本に対してものすごく友好的に考えてる方が多いと思いますね。
その一方で、参加される日本人の場合は、日本からの駐在で赴任してきたとか、旦那さんの仕事の都合で、一緒に中国に来られた奥さんが参加されてたりとか。
● oka:
この中日交流会の主旨は「交流」なんですが、別にそこは「名刺交換しちゃダメよ」とも言ってないんです。名刺交換したい方はすればいいと思いますが、でもたぶん、ほとんどの人は名刺を持ってきてないと思う。
それに、今の時代はどっちかって言うと名刺交換するよりも、人と人で仲良くなる方が深い話ができると思うんですよね。やっぱり楽しい話や特徴がないと、お互いがしっかりと覚えられないですしね。
しかし逆に、商工会とかでよくある異業種交流会とかであれば、そのままビジネスが絡むので、それはむしろ積極的に名刺交換するべきだと思います。
● oka:
私が言いたいところであれば、やっぱり「異文化を受け入れることができる度量」といいますか。例えば、日本だと「こんなの当たり前でしょ」「こんなの常識でしょ」という固定観念があるんですけど、それって日本で育った人には普通の感覚だけど、それが中国や海外などの別の場所に行ったら、その文化や常識っていうのは「自分の思ってるものと同じではない」ということなんですよね。
人によってはその文化や常識の違いを、腹立たしく思っちゃう人もいるかも知れません。でもそこは「いや、自分が思ってる常識は、世界の常識ではない」ということを受け入れることが出来て、「柔軟にその人の意見を聞く」ということが大切なんじゃないかなと思います。
そして、自分自身に柔軟性を持って「その異文化を楽しむ姿勢」であったり、「自分のコレ、こういう風に変えた方がいいかな?」「中国のココはいいし、日本のココも守っていこう」みたいな。それが出来るか出来ないかは大きいですよね。
● oka:
それぞれの状況があるとは思いますが、もしチャンスがあれば、やっぱり海外に出た方がいいですね。
もちろん日本という国自体は、素晴らしいことは素晴らしいんですけど、日本の外にも全然違う世界がある。その外の世界に置いてみると、自分の視野がすごく広がります。それと人生は一度しかないから「視野を広げ、チャンスを掴む」経験をした方が絶対いいですね。
● oka:
もちろん海外に出るとか、そういうのも 1つの手段だと思うんですけど、「若いんだったら、まず色んなことにチャレンジしてみな」という気持ちですね。若いうちは「リスクなんて無いに等しい」って気持ちで、バカにやっちゃっていいと思うんですよね。
私なんかも昔はマカオに行って「勝ったら五つ星ホテルに泊まる」「負けたらベンチの公園で寝る」そういうバカなこととかいっぱいあったんで(笑)
しかし、これがある程度年齢も重ねて、また結婚もしてる状態でチャレンジするとなると、やっぱりリスクも大きいので。だから、バカなことも含めて「チャレンジ、チャレンジ」って感じですね。
弊社メンバーも時折参加させていただいてる中日交流会。
「昔から参加している」「今日は初めての参加」「日本語を話すために参加した」など、参加者の目的は様々です。
また今回のインタビュー取材を通じて、主催者のokaさんは、気さくで話しやすく、とてもアグレッシブな方と感じました。
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