
中国市場において、小紅書(RED)は単なるSNSアプリにとどまらず、消費者の購入決定に大きく影響するプラットフォームとなっています。現在、その月間アクティブユーザー数(MAU)は3.5億人を突破しました。
多くの海外企業にとって、小紅書(RED)は中国市場へ進出するための非常に魅力的な入り口です。しかし、EC出店の流れや保証金のルールなどに戸惑ってしまうことがあります。
本記事では、海外企業が小紅書(RED)へEC出店するまでの流れ、その運営に掛かる主な費用や保証金のルールを詳しく解説します。
※ 2026年9月時点の情報です。

小紅書(RED)は、写真+文章、ショート動画などの形式でライフスタイルを記録・共有するSNSプラットフォームであり、消費者の購入決定に影響を与える「种草(購買意欲をかき立てるクチコミ)」コミュニティでもあります。
ユーザーはここで日常を共有したり、オススメの商品を紹介したりします。こうして、多くの人々は「買い物をする前に、まず小紅書でリアルな評価やレビューを検索する」という習慣を身に付けるようになりました。
そして小紅書は、「共有」と「消費」を見事に融合させることに成功し、EC機能「市集(マーケット)」を導入しました。これにより、多くの出店者が集まり、独自の「种草」経済が形成されました。
また、海外企業にとって、小紅書は単なるブランドの認知拡大の場であるだけでなく、中国の消費者に直接アプローチできる販売チャネルでもあり、越境ECのクローズドループ(一貫した流れ)を実現することができます。

海外企業が小紅書(RED)にEC出店する際は、主に「アカウント登録」「企業プロアカウント認証」「店舗開設」という3つのステップを経ます。
有効な携帯番号(海外の番号も対応可能)、またはメールアドレスを使用して、初期アカウントの登録をおこないます。
企業プロアカウントは、ビジネスプロモーションや店舗開設を進める上での前提条件となります。認証が完了すると、アカウントに「青いVマーク」が付与され、公式な企業アカウントであることが証明されます。
認証手続きの際は、以下の書類を提出する必要があります。
| 必要書類 | 概要 |
| 登記事項証明書 | 書類が英語の場合は中国語の翻訳文、中国語・英語以外の場合は中国語と英語両方の翻訳文が必要。 また、すべての翻訳文には第三者翻訳会社の会社印の押印が必要。 |
| プロアカウント申請書 | テンプレートに従って記入し、会社印の押印が必要。 |
| 運営担当者の身分証明書 | 運営担当者が中国の身分証明書を持っていない場合は、パスポートの写真の提出が必要。 |
認証費用は600元です。その後、年に1回の審査が必要です。年次審査の費用も同様に600元となります。
※ 企業プロアカウントは、毎年の有効期限が切れる 2ヶ月前 までに、年次審査をおこなう必要があります。
期限を過ぎて審査が完了しなかった場合、または審査に不合格となった場合、プロアカウントは無効になりますのでご注意ください。
プロアカウントの審査が通ったら、店舗開設を申請することができます。その際、以下の追加資料を提出する必要があります。
| 必要書類 | 概要 |
| 登記事項証明書 | 会社印の押印、または代表者による署名(手書き)が必要。 書類が英語以外の場合は、英語または中国語の翻訳文を提出し、その翻訳文には翻訳会社の会社印の押印が必要。 |
| 代表者の身分証明書 | パスポートの写真を提出。 |

海外企業の日常的な運営においては、プロアカウントの認証費用以外に、店舗運営にかかる費用として主に「基本技術サービス料」「決済手数料」「保証金」の3つがあります。
| 項目 | 概要 | 計算方式 |
| ① 基本技術サービス料 | サービス料率は1%〜5% (商品カテゴリーにより異なる) |
(商品代金実支払額 + プラットフォーム補助金 - 商品税金)× 基本技術サービス料率 |
| ② 決済手数料 | 手数料率は0.7%固定 (WeChat Pay、Alipayなどの外部決済手数料) |
(商品代金実支払額 + 運賃実支払額)× 決済手数料率 |
| ③ 保証金 | 「1店舗につき1保証金」の原則 (詳細は後述) |
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「保証金」とは、業者が「1店舗につき1保証金」の原則に基づき、小紅書(RED)に預ける資金のことです。
商品やサービスの品質をきちんと保証し、ショップ規約や法律で決められた義務を遵守することで、消費者の正当な権利を守ることを目的としています。
つまり、何かあったときのために備えた「預け金」のようなものです。
保証金には、基本保証金とリスク保証金の2種類があります。
※ 店舗運営者は、代理店ではなく、小紅書の運営企業へ払うことです。
基本保証金は、カテゴリー保証金と変動保証金に分かれています。これは出店者が店舗を開設する際に納付する保証金であり、運営中にトラブルが発生し、賠償や違約金の支払いが必要になった場合は、この保証金から差し引かれます。
1. カテゴリー保証金
2. 変動保証金
毎月2日に前月の売上決済金額をもとに変動保証金を計算して、金額が上がった場合には該当店舗に連絡します。
| 前月の売上決済金額(人民元) | 海外企業の保証金納付額(USD) |
| (50000,100000] | 400 |
| (100000,500000] | 700 |
| (500000,∞] | 2800 |
「カテゴリー保証金」と「変動保証金」を比較し、金額が高い方が最終的な保証金額として適用されます。
※ 具体的な例:「アクセサリーショップ」の場合
この店では、「3Cデジタルアクセサリー」と「ペットフード&用品」の2つのカテゴリーを扱っています。
複数カテゴリーの場合は一番高い金額を納めるルールなので、カテゴリー保証金は 3,500 USD になります。
次に、当月の売上決済額が 11万元 だった場合、変動保証金は 700 USDとなります。カテゴリー保証金(3,500 USD)と変動保証金(700 USD)を比べて、高い方を適用します。
その結果、この店の当月の保証金は 3,500 USD となります。
リスク保証金は、特定の条件が満たされた場合にのみ納付が必要となる追加の保証金です。
主に注文のアフターサービスや、消費者への補償(トラブル時の返金対応など)に充てられます。通常の運営では発生することはありません。
1. 発生条件
2. 徴収基準
通常店舗のリスク保証金はカテゴリー保証金の2倍となり、最大1万人民元を上限とします。
※ 具体的な条件や金額は、小紅書(RED)の管理画面に表示される内容をご確認ください。
1. 運営期間中、アフターサービスなどの賠償が発生した際、小紅書はまずお店の残高から引き落とします。お店の残高が不足している場合は、保証金から引き落とします。
2. 以下のようなケースでは、小紅書のプラットフォーム側は、契約および諸規定に基づいて判断し保証金の一部または全額を引き落とすことができます。
(主な用途:消費者への賠償、プラットフォームの損失補償、違約金の支払い等)
保証金の残高が不足した場合は、速やかに追加納付をおこなう必要があります。
| 項目 | 概要 |
| 追加納付期限 | 1〜7暦日(状況により変動) |
| 追加納付遅れた | 軽度:売上金の引き出しや商品の新規出品制限 重度:商品の出品停止や店舗アカウントの凍結 |
| 追加納付完了 | プラットフォーム側で店舗機能を復活 |
※ 具体的な条件や金額は、小紅書(RED)の管理画面に表示される内容をご確認ください。
| 項目 | 概要 |
| 基本保証金 | 出品商品の変更(カテゴリー変更など)により、保証金の残高が納付すべき金額よりも多い場合、その超えた分(差額)を出金申請することが可能。 |
| リスク保証金 | リスク保証金を全額納付してから90日が経過し、かつその他の保証金も全額納付済み、プラットフォームの立て替え金も完済されている場合、必要納付額が引き下げられ、設定額を超える部分が出金可能。 |
| 閉店 | 保証金の出金(引き出し)を申請することが可能。 |
※ 具体的な条件や金額は、小紅書(RED)の管理画面に表示される内容をご確認ください。

海外企業にとって、小紅書(RED)は巨大で魅力的な市場です。
越境ECとしての出店やプラットフォームルールは一見すると少し複雑でハードルが高く感じられるかもしれませんが、流れをすっきりと整理し、保証金の仕組みを理解すれば、実際の手続きはそれほど難しくありません。
本記事が、小紅書(RED)へのEC出店の第一歩を踏み出すための、実践的な参考資料となれば幸いです。
2026年8月時点の情報です。各サービスの詳細な仕様や最新情報は、公式ドキュメントをご確認ください。
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