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IT/Webの技術

【ICPライセンス】中国でWebサイトを公開するためには?

中国でITビジネスをおこなう際に強みとなる、「Alibaba Cloud(アリババクラウド)」の観点から見た「ICPライセンス(Internet Content Provider)」に関する内容です。

※ 2025年10月時点の情報です

ICPライセンスの概要

中国でITビジネスのためにWebサービスを展開する場合は、ICPライセンスの届出・登録が必要となります。

この「ICPライセンス」は、中国が定める法規制において、コーポレートサイトやECサイト・ソーシャルゲームなど、インターネットを介するWebサービスを利用・提供する場合に必要なライセンスです。

ICPライセンスの種類

ICPライセンスは、このように「2種類」が存在します。

非商用ICPライセンス(非経営性ICP備案)

〇 対象:中国国内サーバーで構築した、Webサイトを公開する企業(コーポレートサイトなど、収益の有無に関わらないサイトも含まれます)

〇 対策:ICP備案番号の取得及び公安備案をおこなうこと

※ 公安備案とは「インターネットウェブサイト安全備案」のことで、公安部網安局が管轄しています。 ICP備案を完了したWebサイト(個人・企業のサイトを含む)はすべて申請が必要です。

主な目的はサイト内容の適法性を確認し、ユーザーデータの安全を守り、さらにサイト運営者の安全責任を明確にすることです。

商用ICPライセンス(経営性ICP許可証)

〇 対象:中国でインターネットを通じて営利性のサービスを提供する企業(ECサイト・ソーシャルゲーム など)

〇 対策:ICP備案番号の取得及び公安備案以外に、ICP許可証を取得すること

「非商用ICPライセンス」と「商用ICPライセンス」との違い

「非商用ICPライセンス」と「商用ICPライセンス」の利用条件や手続きは、上記のようにそれぞれ異なります。

「非商用ICPライセンス」には、ニュースサイト・掲示板サービス・ブログのサイトも含まれますが、これらの用途の場合は個別に審査があります。

また、どちらのICPライセンスが適応されるかは、Webサイト内の機能で「オンライン決済があるかどうか?」 がポイントです。Webサイト内にオンライン決済機能がある場合は「商用ICPライセンス」の取得が必要です。

「非商用ICPライセンス」について

上記のように、非商用ICPライセンスは、中国国内のサーバーから発信する、全てのWebサイトに課せられる事前の申告手続き(義務)です。近年では、 ICP備案番号の取得と公安備案はセットになっています。

中国でインターネット上に公開されるWebサイト(Webシステムやアプリも含まれる)は、非商用 ICP ライセンスの申告をしないと、そもそもインターネット上に公開することができません。

非商用ICPライセンスの申告をせずに、Webサイトを公開してしまうと、サービス停止・処罰の対象となる可能性があります。

「非商用ICPライセンス」と「公安備案」の流れと表記方法

上記は、非商用ICPライセンスの申告・公安備案の流れです。

※1. 中国のレジストラで購入・取得したドメインであることが必須です
※2. 指定される記載方法に従って記載します

「商用ICPライセンス」について

中国は通信事業の許認可制度の一環として、SaaS・ASP・EC・ゲームなど、インターネットを通じた営利事業を営むにあたり、商用ICPライセンス(電信与通信業務経営許可証)の取得を企業に義務付けています。

しかし、この商用ICPライセンスは外国企業では直接取得できません。外国企業が中国でこれらの事業を展開するためには、中国国内企業との連携もしくは中国国内で現地法人の設立が必要となります。

※ 現在は「4地区(北京、上海、深圳、海南)」のみにおいて、100%外資で設立された企業での商用ICPライセンスの取得が可能です。

< サンプル:商用ICPライセンス >

Alibaba Cloud でICPライセンスを申請する場合

< サンプル ① >

< サンプル ② >

< サンプル ③ >

上記のように Alibaba Cloud(アリババクラウド)では、クラウドのコンソール上からICPライセンスを出願することも可能です。

※ 申請画面のインターフェイスは中国語のみとなり、申請書も中国語で記入する必要があります。

参考URL https://beian.aliyun.com/?spm=a2cmq.17630022.0.0.7ab879fe1yPBx2

ICPライセンスに関する「よくある質問」

質問 回答
① 中国国内でコーポレートサイトを作る予定ですが、日本や海外サイトで使用しているドメインを、そのまま使っても問題ないですか? 日本や海外のレジストラで取得したドメインを、そのまま使用することは不可です。

中国国内でWebサイトを公開する場合、非商用ICPライセンス申告及び公安備案をおこなうことが義務付けられています。

非商用ICPライセンスの申告をおこなう場合、中国のレジストラで新たにドメイン取得する必要があります。

② 中国香港でサーバーを設置する場合、非商用ICPライセンスの取得は必要ですか? 中国香港は「特別行政区」のため、「インターネット情報サービス管理弁法」の適用範囲外になります。そのため、非商用ICPライセンスの申告は「不要」です。

また、中国香港から中国大陸へのインターネットアクセスが比較的にスムーズであり、非商用ICPライセンスの申告が難しい場合、中国香港を中継地として選択されるケースがあります。

③ 日本や海外で配信中のオンラインゲームを、中国でも配信したいです。 中国でオンラインゲームを配信する場合、複数の経営許可を取得する必要がありますが、これらの経営許可は事実上、外国企業に開放されていないため、外国企業が運営主体のまま配信するハードルが高くなっています。

そのため、多くの外国企業は、経営許可を有する中国パートナー企業でオンラインゲームを配信してもらう形を取っています。

この場合、オンラインゲームの配信許可を得るために、中国でのソフトウェア著作権を中国パートナー企業へ移転するケースがあります。

④ 中国でECサイトの立ち上げを検討していますが、どのようなICPライセンスが必要ですか? 中国国内で自社ECサイトを立ち上げ、商品を販売する場合、ECサイトはオンライン決済や収益を伴うため、商用ICPライセンスの取得が必須です。これは、自社で開発されたWeChatミニプログラムのサイトでも同様です。

ただ、 中国のECモール(天猫、淘宝など)に出店する場合は、モール自体が商用ICPライセンスを取得しているため取得の必要はありません。

⑤ 中国に現地法人が無い場合でも、ICPライセンスの取得して、中国でWebサイトを公開することは可能ですか? いいえ、中国現地の法人もしくは何かしらの中国事業所の開設が必要です。

まとめ

中国でのITビジネスやWebサービスには欠かせない「ICPライセンス」に関する内容でした。

中国でWebサービスを展開、またはサーバーの構築・運用が必要な企業は、Alibaba Cloud(アリババクラウド)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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