
普段、生活や仕事をしている中で、中国人であっても、「えっ、この世界的に有名なサービス、実は中国発の『あれ』だったの!?」と、驚くことがよくあります。
例えば、中国のSNSアプリ「抖音(Douyin)」が、海外では「TikTok」という名称であるように、中国企業が世界へ進出(出海)する際、現地の文化に馴染むように、名称や見せ方を徹底的にローカライズ(現地化)しています。そのため、中国の人々でさえ、それが「自国のブランド」だと気付かないほど、見事に「変身」しているのです。
そこで今回は、中国国内での呼び名をベースに、「それが海外(グローバル)では何という名称で展開されているのか」を業界別に整理してみました。
海外の方には新しい発見として、中国事情に詳しい方には答え合わせとして、ぜひ楽しんでいただければと思います。
目次
インターネットを使ったビジネスで、Webサイトを立ち上げるなら「ブランド名○○ .com」というURLは、絶対に欲しい「一等地」です。
しかし、中国名(例:Pinduoduo)のドメインだと、URL自体も長くて入力しにくいし、すでに知らない誰かに取得されているケースがほとんどです。
そこで、海外へ行くときは、まだ世界中で誰も使っていない「Temu」のような、短くて覚えやすい造語を新しく作ることで、temu.com というURLを独占し、世界中の人が迷わずアクセスできるようにしています。
ドメイン名称の権利は、ドメインを取得・購入するユーザーの早い者勝ちです。
中国で有名な「携程(Ctrip)」という名称をそのまま使用しようとしても、進出先で類似した名称が既に登録されていれば、法的に使えません。
そこで、多額の費用を投じて世界共通の権利である「Trip.com」を買い取るなど、「どこの国であっても、訴訟されるリスクがない名称」が戦略的に選ばれています。
漢字の読み(例:Xiaohongshu)は、文化圏によっては「発音しにくい」「古臭い」と感じられることがあります。
「TikTok」や「SHEIN」のように、意味よりも「音の響きがカッコいい」「リズムが良い」名称を新しく付けることで、そのブランドが中国発だと知らない外国人でも、抵抗なく「クールなもの」として受け入れられるように計算されています。
中国発のサービス・製品が、国内と海外で異なる「二つの名称」を持つ事例をご紹介いたします。
まずは、スマホアプリやWebサービスです。
中国発のアプリは、世界展開にあたって「短くて覚えやすい」英語名に変更されるのが一般的です。
| 中国版の名称 | 海外版の名称 | 中国と海外での評価・印象 |
| 微信(Weixin) | 【中国】仕事や決済、行政手続きもこれ一本。これがないと1分も生活できない「超アプリ」。
【海外】インバウンド決済の定番。最近は海外ユーザーも登録しやすくなっています。 |
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| 微博(Weibo) | 【中国】「中国版 X(旧:Twitter)」。速報性が高く、芸能人や企業の公式発表の場。
【海外】 中国の情報を追うためのツール。推し活をするファンにもお馴染み。 |
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| 小红书(Xiaohongshu) | Little Red Book / RED | 【中国】「中国版 Instagram」。ただし「映え」よりも「本音の口コミ」を調べる検索エンジンとして最強。
【海外】「チャイボーグ」メイクや最新トレンドの聖地として、美容感度の高い層に人気。 |
| 抖音(Douyin) | TikTok | 【中国】ライブコマースで「動画を見ながら買う」のが当たり前の生活インフラ。
【海外】若者文化の発信地。トレンドやダンスを生む最強のエンタメアプリ。 |
| 快手(Kuaishou) | Kwai | 【中国】 地方都市や農村部(下沈市場)で圧倒的な支持。ライバーと視聴者の絆が非常に深いのが特徴。
【海外】TikTokの強力なライバル。南米や東南アジアで人気。 |
中国における消費市場を、圧倒的な「スピード」と「安さ」で支える、巨大プラットフォームです。
| 中国版の名称 | 海外版の名称 | 中国と海外での評価・印象 |
| 淘宝(Taobao) 天猫(Tmall) |
AliExpress | 【中国】買えないものは無い巨大市場。毎日届くダンボールは中国の日常風景。
【海外】格安ガジェットやパーツを直接輸入する「お宝探しサイト」。 |
| 京东(Jingdong) | JD.com | 【中国】「配送の速さと本物保証」。高価な家電は、ここで買うのがステータスであり安心。
【海外】世界トップクラスの物流網を持つ、信頼できる中国大手ECのイメージ。 |
| 拼多多(Pinduoduo) | Temu | 【中国】激安の代名詞。オフィスでも「これ拼多多で買った」と言うと、「買い物上手!」と盛り上がります。
【海外】2023年以降、世界を席巻。「Amazonよりも安い」と急速に浸透中。 |
| 得物(Dewu) | Poizon | 【中国】スニーカーやブランド品の「鑑定付き」取引所。若者のトレンド発信地。
【海外】本物を保証する信頼のマーケットプレイス。 |
仕事の出張や週末の外出に欠かせない、交通・移動のインフラのサービスです。
| 中国版の名称 | 海外版の名称 | 中国と海外での評価・印象 |
| 滴滴出行(DiDi Chuxing) | DiDi | 【中国】中国でタクシーを拾うならこれ一択。道で手を挙げる文化を完全に上書き。
【海外】日本でもソフトバンクと提携。便利で安全な配車アプリとしての地位を確立。 |
| 携程旅行(Ctrip) | Trip.com | 【中国】出張も旅行も、航空券とホテル予約はまずここ。カスタマーサポートが非常に強力。
【海外】世界的な旅行予約サイト。多言語対応が完璧で、日本でも利用者が急増中。 |
皆さんのスマホに入っているそのアプリや、デスクの上にあるそのガジェットも、実はサービス・製品の名前を変えて世界を旅してきた「中国発の精鋭」です。
たとえ呼び名は違っても、その根底にあるのは「もっと便利に、もっと新しく」というコンセプトで、中国の勢いと柔軟さを象徴しています。
次に何かのブランドを目にしたときは、その「本当の名前」を探してみると、世界の繋がりが見えてきて面白いはずです。
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